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特集 神楽のすそ野を広げるために… 海外や初心者に向けての取り組み 広島

2021.11.25 16:41
 伝統芸能、神楽…。観光資源としても大きな可能性を秘めていますが、すそ野を広げるためにさまざまな課題も抱えています。神楽を見たことのない人にどのようにして魅力を感じてもらうか、取り組みを取材しました。

 色とりどりの大きな蛇…。神楽の人気演目、八岐大蛇です。広島・北広島町の琴庄神楽団が公演に向けて練習している最中なのですが、蛇の目の前にはカメラが…。そして上空にはドローンが…。

 実は、神楽をまだ一度も見たことがないトルコの人に向けて広島の神楽を紹介する動画を制作しているのです。去年、予定していた県内有志でのトルコ公演が新型コロナにより中止になったため、もともと公演を依頼していた国際交流基金と協力して今回の動画を作ることになりました。

 この動画の制作の指揮をとるディレクターの加藤ひさつぐさんです。

 「これをかぶって演技するのはたいへんですね。すごい。」(動画を制作 加藤ひさつぐさん)

 実は、加藤さんも今回の動画を制作するまで神楽をほとんど見たことがありませんでした。

 「今回の動画を作るときになぜ、ぼくに話が来たかというと、神楽初心者で、あまり知らないからこそ、そういった視点で初めて見る人がわかりやすいように、それが1つのポイントなので。」(加藤ひさつぐさん)

 動画のタイトルは、「ひろしま神楽を知っていますか?」です。

 「これを団員のみなさんが一斉に言う。トルコ語でタイトル・コールをすることになっている。」(加藤ひさつぐさん)

 初心者目線で、神楽を自分に教えるつもりで制作に当たっているという加藤さん…。動画を構成するうえで大切にしたのが、本番だけでは見えない団員たちの“人間模様”です。

 「神楽の紹介というよりは、神楽を支える人たち、神楽を培ってきた地域の伝統の紹介。周りの人たちの心を映そうと思って取り組んでいる。」(加藤ひさつぐさん)

 団員たちも動画に期待を込めます。

 「動画を送って、見てもらって、今度は『(トルコに)来てほしい』と言ってもらえれば、もっとうれしい。」(琴庄神楽団 崎内俊宏団長)

 「ふだん、本番しかお客さんは見ていないと思うので、裏側を見てもらって、少しでも神楽に対する思いが伝わればいいかなと思う。」(琴庄神楽団 菊本凌さん)

  ◇  ◇  ◇

 一方、こちらは広島市安佐北区の宮乃木神楽団です。来月、神楽をまだ見たことがない人たちに向けたイベントで舞いを披露します。演目は「紅葉狩り」。山に住む女の姿をした鬼たちが退治されるという話です。

 「(最初は)化粧をした人間の顔なんだけど、1段階目に小さい顔の鬼、2段階目がこれ、最後は大きい鬼になって出てくる。見せ所は、姫から鬼になっていくところ。けっこう初心者の人でも見やすい演目ではあると思う。わかりやすくて。」(宮乃木神楽団 佐々木崇志さん)

 宮乃木神楽団の団員は20代も多く、比較的若いメンバーで構成されています。しかし…。

 「よく市内の友だちと話しても『神楽って田舎の方のおじさんがやっている』という感覚。うちの団も若い子は高校生から集まって一生懸命やっている。同じ広島県人としてわかってほしいし、見てほしいかな。」(宮乃木神楽団 山本貴範団長)

 敷居が高いと思われがちだという伝統芸能ですが、もっと気軽に楽しんでほしいと期待します。

 「見せ場によっての魅力を感じてもらって、帰るときでも余韻が残るようなところを目指しているので、そういうところを感じていただけたらな。」(宮乃木神楽団 佐々木崇志さん)

 ― 宮乃木神楽団が出演する初心者のための公演は、12月26日予定ですが、事前予約でいっぱいです。公演の模様は後日、RCC文化センターのYouTubeで配信予定です。
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