RCCNEWS

P
R

イマシリ!『知っていたら得するかも!? 相続・贈与のルール活用術』

2021.11.25 16:40
 「成長と分配、両方をしっかり考えることによって…」(岸田文雄首相)

 富を「分配」するために今後、税の仕組みもがらりと変わっていくかもしれません。「相続や贈与はお金持ちだけの話」だと思っているならもったいない。きょうの「イマシリ!」のテーマは、『知っていたら得する!? 相続・贈与のルール活用術』について。せっかくなら上手に活用しませんか?

  ◇  ◇  ◇

 近々、相続や贈与の仕組みが変わるかもということで、きょうは2級ファイナンシャルプランニング技能士でもある坂上俊次アナウンサーと、お金の専門家ファイナンシャルプランナーで「ライフアンドマネークリニック」社長・高橋佳良子さんとお伝えします。

 高橋さんは、広島でライフコンサルティング業に携わって30年、書籍を出版されるなど、幅広い世代の生活相談に乗っています。

 今、「相続」というキーワードはすごく話題になっています。親から相続できるものとしては、こういうものがあります。

 金融資産(現金、預貯金、株、債券など)
 不動産(自宅の土地・建物、田畑、山林、店舗など)
 家庭用財産(車、家具、宝飾品、骨董品、絵画など)
 その他資産(著作権、特許権など)

 少子高齢化・核家族化する中で相続するものが、そもそもどれくらいあるかもわからないということが、身近な問題になる人も多いようです。そんな中、社会情勢に応じて毎年、見直される税金の制度について、来月には「税制改正大綱」という“税の仕組みをこう変えるよ”というものが発表される見通しです。

 ◇ 相続と贈与の違いについて

 相続税は、財産のある人が亡くなることで発生し、その相続財産全体にかかります。ただし、「基礎控除額」というものがあって、一定額までは非課税です。一方、贈与税は、生きているうちに、あげたり、もらったりすることで発生し、その都度の額に対してかかります。

 贈与だと部分的に必要な金額やものをあげられます。財務省の調べでは、相続税がかかるのは、亡くなった人の8%だということです。贈与については人数などのデータはありませんが、子ども世代が入用の時に援助してあげたいと思う親御さん、反対に援助してほしいと思っている子ども世代の方は多くいます。また、税金がかかると思って、ちゅうちょされている方もいるようです。

 今、この「贈与」を「相続」と一緒にまとめてとらえようという考え方が進み、制度がどんどん変わろうとしています。まずは現状をおさえておきましょう。

 ◇ 非課税の贈与

 贈与には、非課税になる場合が何種類かあって、大きく分けて、具体的な目的があるものとないものに分かれます。

 目的があるものだと、非課税となる金額は、住宅取得資金は一般的な新築住宅で1000万円まで、結婚・子育て資金は1000万円まで、教育資金は1500万円までです。目的がある場合は、非課税額がけっこう大きくなっています。

 経済を回すために使うんだから一定額は非課税にしようという趣旨です。領収書が必要だったり、いろいろ手間もかかるので、制度を作った当初の想定より利用率は低いようです。

 日常生活でもらう生活費や、入学や結婚でもらうような「お祝い」は、贈与税の対象にはなりません。

 ◇ 暦年贈与

 一方、ちまたで話題になっているのは、こういった特定の目的別ではない、「暦年贈与」という仕組みについてです。年間で110万円までは非課税で、目的や期限が限定されていないので使いやすくなっています。

 こういった家庭構成を例にします。

 高治(85) 夕希(75) 
 その子 平(配偶者あり) 沙紀(配偶者あり) 友里
 沙紀の子 世人 恋花

 たとえば、ことし、高治さんが、自分はもう先が長くないから、妻や子に財産を贈与したいと思ったとします。暦年贈与で1人110万円までは非課税なので、このように財産をあげても、贈与税がかかりません。

 もしも贈与した後、すぐに高治さんが亡くなってしまうと、ちょっとややこしいことになってきます。亡くなったタイミングから3年以内の暦年贈与分は「持ち戻し」といって、亡くなったときの相続財産と合わせて相続税が課税されます。

 ◇ 持ち戻し期間延長

 そして、今回の「税制」見直しでポイントとなるのがこの「持ち戻し」の期間です。今後は3年ではなくて、5年・10年になるのではないか、あるいはもしかしたら暦年贈与の制度そのものが廃止になるのではないかという予測が出て、話題になっています。

 そこで、「節税」対策をしたいという人たちが、どう動いているかといいますと…。

 ◇ 贈与のタイミング

 贈与税のカウントは、1月~12月で1年です。もし、来年の4月に「暦年贈与の制度の廃止」が決まったとしても12月までに1回、1月~3月までにもう1回贈与していれば、さかのぼっては適用されない見込みなので、これは「非課税」のままになります。

 ちょっとしたタイミングの違いで、税金がかかったり、かからなかったりするという可能性があるわけです。とは言っても、節税のつもりで早めに渡しすぎて、思ったよりも自分が長く暮らすことになって、手持ちの資金が…ということなっても困ります。

 この贈与税の持ち戻しについては、配偶者と子ども(法定相続人)についてかかるものなので、子どもの配偶者や孫、他人にあげた分は「持ち戻し」されません。おそらく、これは今回の税制改正でも変更はないと思います。ルールを正しく知って、あげたい人も、もらいたい人も制度を上手に活用できるといいです。もちろん、具体的な贈与や相続に関してのご相談は、税理士さんにお問い合わせください。

 せっかく蓄えたものを誰かに使ってもらいたいと考えているなら、一度、ご自分の資産がどれくらいあって、これからどれくらいあれば暮らしていけるかを考えたり、家族で話し合ったりする機会になるかもしれません。
  • twitter
  • Facebook
  • LINE

PAGE TOP