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イマシリ!『再びブーム到来か? 没後450年 毛利元就に熱視線』 広島

2021.11.24 17:46
 広島・安芸高田市の歴史民俗博物館になぜか目立つ県外ナンバー。

 「きょうは東京から。」「岡山から、はい。」「静岡から参りました。」(来館者たち)

 来館者のお目当ては…、安芸の国・吉田の小さな領主から中国地方最大の戦国武将となった毛利元就。

 「肖像画がビジュアル的にわかる。今回はこちらですね。」(安芸高田市歴史民俗博物館 秋本哲治学芸員)

 郡山城の城跡に眠る元就に今、注目が集まっています。きょうの「イマシリ!」は、『再びブーム到来か? 没後450年 毛利元就に熱視線』。

  ◇  ◇  ◇

 毛利元就というと思い浮かぶのは、3本の矢を束ねると簡単には折ることができないという「三矢の訓」でしょうか。その元就が今、ちょっとしたブームになりつつあるようです。

 没後450年を記念して安芸高田市で開かれている毛利元就の特別展です。展示品を解説しているのは、よろい姿のこの人…、学芸員の秋本哲治さん。秋本さんにはこんなあだ名がついています。

 「“ほら吹き学芸員”と呼ばれております。」(安芸高田市歴史民俗博物館 秋本哲治学芸員)

 どういうことかというと…。ほらはほらでも、ほら貝を吹いて説明開始の合図にしているのです。それでは、元就の戦国の世へ、いざ出陣!

 「元就といってもですね、人物像ってどんな人物ですかっていうイメージ、なかなか湧かないと思いますけれども、なんといってもわかりやすいのが(元就の)肖像画でございます。」(秋本哲治学芸員)

 特別展では、貴重な元就の肖像画を展示し、戦国武将のビジュアル面からイメージできるよう工夫してあります。

 珍しいものもありました。

 「元就が所用していたと伝わる頭巾ですね。こうやってね、いろいろな方向・角度から見たら笹と桐の文様がきれいに見えますので、ぜひ。」(秋本哲治学芸員)

 元就自筆の法華経を写したコンパクトなお経は、戦勝を願って身に付けていたといわれていて、最後に「元就拝」と署名も残っています。

 また、同じように勝ち戦を祈願して常に手元に置いたとされる「勝軍地蔵騎馬尊像」。小さな厨子に入ったお守りで高さ6.5センチの馬に乗った勝軍地蔵には鮮やかな彩色が施されています。

 秋本学芸員の解説でとっつきにくい古文書も理解が深まります。

 「こちらと、こちらの書状、元就がわざわざ当主である(長男の)隆元に対して家臣に対する書状の書き方を指導した文書です。元就が隆元にこういうふうに書きなさいよと、細かいことをいっぱい指示しています。」(秋本哲治学芸員)

 長男の隆元は、元就の書いたものをそのまま写して家臣に出していました。元就は、相当の教育パパだったようです。

 「元就と隆元の関係って非常におもしろいですよね。非常に元就は心配性だったと思います。いろんなことが気になって、リスク管理をしていたんじゃないかと。常にこうなったらこうしよう、こうなったらこうしようというのを常に考えて。それによって、最悪な事態を防ぐというか。」(秋本哲治学芸員)

 秋本学芸員は、元就について、尼子と大内という大きな勢力にはさまれた中、自分たちが生き残って行くためにはどうしたらよいのかを考え続けた人物ではないかとみています。

 よく知られている三矢の訓も兄弟げんかをしていたら、毛利家はすぐに滅ぼされるぞ、という戒めです。

 「(元就は)毛利家自体を作っていくという考え方がほかの武将とはかなり違うのかなというふうに考えました。」(岡山から)

 「(元就は)最初は謀将というか、戦略家というイメージだったんですが、家族思いの面があったりですとか、すごい人間味のあるところも見えてきて、それがいいなと。」(東京から)

  ◇  ◇  ◇

 県外からもたくさん特別展を見に来られているのは驚きです。特別展だけではありません。安芸高田市の銘菓「百二十五萬石」です。毛利家の家紋が入ったまんじゅうで、安芸高田市の卵を使った黄身あんになっています。こうした元就にちなんだみやげ物も地元では販売好調のようです。

 ◇  ◇  ◇

 去年、オープンした道の駅「三矢の里あきたかた」では、「百二十五萬石」のほか、ようかんなどの食べ物、また、元就が生まれた年をデザインしたマグネットプレートなど元就関連のおみやげが数多く販売されています。

 この道の駅は、ことし1月オープンから8か月余りで入場者100万人を達成しました。週末には、さまざまなイベントも開かれ、元就人気がさらなる来場者アップへつながってほしいと期待しています。

 「道の駅としてもしっかり盛り上げて行きたいと思います。」(道の駅 三矢の里あきたかた 黒田貢一駅長)

 「毛利元就をきっかけに安芸高田市のことも知っていただけたらなと思っております。」(安芸高田市観光協会 田中快斗さん)

 元就ブームは出版界にも及んでいます。元就の次男・吉川元春が登場する小説「駆ける」。この秋に出版され、話題を呼んでいます。小説は、元春に拾われた乗馬の名手・小六が尼子の残党との戦で活躍する物語です。

 「反響はすごく大きいですね。よくお店の方にもお問い合わせに来られる状況です。」(ジュンク堂書店 広島駅前店 三浦明子さん)

 作者は、安芸高田市国際交流協会の事務局長を務める稲田幸久さんです。

 「毛利元就のおひざ元ということで毛利氏に対してすごい親しみがあったんですね。で、その中でも吉川元春っていうのは武骨で誠実で武将の中の武将、男の中の男っていうふうにぼくはイメージを抱いていて、彼が物語の中心になって展開していく、そういう話を書きたいなあと。」(稲田幸久さん)

 稲田さんは、小説の続編を執筆中ですが、地元からは今、小説とは別にある依頼を受けています。

 「安芸高田神楽の台本、新作の台本の依頼を受けていまして、それを毛利元就の話を台本として作ってみようかなというふうに思っております。安芸高田市が盛り上がってくれると、ぼく、すごくうれしいので。」(稲田幸久さん)

  ◇  ◇  ◇

 元就の神楽がどんなものになるのか、楽しみです。台本は来年1月に発表予定だということです。再来年になると、元就が郡山城に入城して500年という次の節目を迎えるということで、元就ブームはさらに盛り上がっていくのでは…。
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