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イマシリ!『コロナ後遺症外来 苦悩する患者』広島

2021.11.22 14:25
 新型コロナの感染状況は第5波が収まった先月以降、落ち着いています。
その一方でー。

「呼吸がずっと苦しい状態で、胸の痛みがずっと止まない」(患者)

 新型コロナの後遺症です。これまでに感染した人の中には今も、日常生活や仕事に影響が及んで苦しんでいる患者がいます。

 「こんなに悩んでいる人がたくさんいることがよく分かった」(医師)

 県内の病院で初めて設けられた新型コロナの後遺症の専門外来には、患者が殺到しています。

 きょうのイマシリは「終わらないコロナ禍後遺症に苦しむ患者たち」


【スタジオ】

 こちらは国立国際医療研究センターが先月、発表した調査結果です。

 新型コロナに感染して回復した後でも、半年後に何らかの後遺症がある人は26.3%、4人に1人です。

 また、1年たっても8.8%、10人に1人ぐらいの割合で何らかの症状が続いていたということです。

 感染が減ってくると、流行していたころのことを忘れがちになるが、後遺症の問題も、以前から指摘されていたこと。この数字を見ると深刻な状態が今も続いているのがわかる・・

 後遺症の患者を専門的に診察している広島市内の病院でその実態を取材しました。


【VTR】

 診察室で医師の前に座る女性。新型コロナの後遺症に悩む患者です。

 「朝からだるい。起き上がるのが。子どもが学校なので、よしと起きるが。(子どもを学校に行かせたら、疲れて倒れ込むような感じ?)はい。」(患者)

 女性は今年8月に感染しました。中等症と診断され13日間、療養しました。それから3か月たちますが今も体の不調が続いています。

 「(脱毛を気にしていたが?)まだ抜ける。(いつから始まった?)退院して少しして、ひどくなってから、ずっとある。(頭に霧がかかったような?)変わらず後頭部が重い。つかまれているような」(患者)

 女性が診察を受けているのは広島市の吉島病院です。

 先月はじめ、県内の民間病院では初めてとなる新型コロナ後遺症の専門外来を開設しました。松村俊二医師が診察にあたっています。

 「具体的に始めたのは10月からだが、ホームページに小さなスペースで載せたが、それを見て、すぐに電話で問い合わせが殺到して、こんなに悩んでいる人がたくさんいるということが、よく分かった」(吉島病院松村俊二医師)

 専門外来の開設以降、診察を受けた患者はおよそ50人にのぼります。

 「一番多いのはけん怠感。しかも高度な倦怠感で午前中は仕事ができても、午後からは座ることすらも難しくなるといったような症状が多い。次に多いのが頭痛。あとは微熱が続く、せきが続くという人が多くみられる」(松村俊二医師)

 患者の傾向としては女性が全体の7割を占めているといいます。働き盛りの世代が多いのが特徴だということです。

 診察を受けていた女性もそうした年代でした。

 「ごはんをつくるのに台所に立つのがしんどくて、洗濯とかするのにも、ものすごい勢いで走った後の息遣いみたいに苦しくなるので、そういう時はできない」(患者)

 こうした後遺症患者に対してどのような治療をするのか?実は今のところこれといったものがないのが実情です。

 患者と向き合いながら手探りの治療が続いています。

 「患者の話を、まず第一によく聞くと、いうことを心掛けて治療している。薬はその次の段階の話なので、まず患者の痛み、苦しみを理解するところから始めるので、1人当たりの時間は1時間、それ以上、かかってしまうこともある」(松村俊二医師)

 松村医師は患者との会話を通じて深刻な問題が潜んでいると感じています。

 「これが一番、大変なことなのかもしれないが、やはり仕事に出れなくなるというところで、職を最悪、失ってしまう人もいる」(松村俊二医師)

 この女性も体の不調が続きやむなく仕事を辞めました。

 「きょうはしんどいから(仕事に)行けないとか、それはできないので、復帰したくてもできない。今も働きたいと思うが、就職したところで、まともに働けるか分からないし、家事も半日やっていると、すごく動悸がしてきてできない、すごい疲れる時があるので、就職もできない」(患者)

 後遺症に対する無理解も患者を追い詰めています。

 「周りからは異常がみられないので、しんどいといっても理解してもらえない。大げさに言っているとか、メンタル的な問題とか、気持ちの問題とか言われるので、そうすると、どんどん自分が追い詰められていく。周りの理解が得られない分、不安に押しつぶされそうになる」(患者)

 「待っている患者が非常にたくさんいるし、われわれも全ての患者を診ることはできない。遠方から来る患者には非常に申し訳ない気持ちもあるので、できれば各地域ごとに診療体制を作っていただいて、患者が安心して、しんどい身体をおして遠くまで来ないでいいような仕組みを作って頂けるといいのではと思う」(松村俊二医師)

 県内の病院には新型コロナ後遺症の専門外来はほとんどありません。第6波への準備がすすむなかで後遺症への対策も忘れてはいけません。


【スタジオ】

 吉島病院を受診した患者のなかには、後遺症を専門的に診てくれる医療機関を探し回って、ようやくたどり着いたと涙ながらに話す人も少なくないということです。

 それだけ、後遺症のことは取り残されているような実態があるように感じます。

 感染が落ち着いている今だからこそ、行政や病院には後遺症への対策も考えておいてほしいですね。

 紹介した吉島病院の後遺症外来は週3日の予約制となっています。以上イマシリでした。
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